皆さんは、お子さんが今学習している内容や、その内容をどこまで理解できているかをご存知でしょうか。
きちんと把握されているご家庭も多いと思いますが、お子さんのテストの結果だけを見て、良ければ褒めてあげ、悪ければ「ちゃんと勉強しなさい!」と叱るだけ、というようなことはありませんか?
こどもの学習に関しては、ある程度は自主性に任せて、表面的にはグッとこらえてあまり干渉しない方が良いのは事実ですが、まだ「主体的な学び」の境地に至っていないお子さんの場合はそうも言っていられません。
ベネッセホールディングスの調査結果によりますと、小学生の約40パーセント、中学生の約55パーセントが、「上手な勉強のやり方が分からない」と回答しているそうです。
中学生では、成績上位層の約30パーセント、成績下位層では75パーセントが「上手な勉強のやり方が分からない」と答えています。
最近の学校での学習指導では、こどもが主体的に課題解決に取り組む「問題解決型」の授業が行われてはいますが、いわゆる受け身型の通常の座学の授業と比較すると、授業時間数が少ないこともあり、狙い通りの効果が出ているとは言えないのではないかと考えています。
こどもの「主体的に学ぶ力」を育むことが最も重要であることに変わりはありませんが、並行して目先の「成績を上げる」ということも考えていかなければなりません。
成績を上げるコツにはどのようなものがあるのでしょうか。
今回はそのあたりに焦点をあてていきたいと思います。
目次
成績を上げるには家庭学習が必須
学校での授業内容をしっかりと理解でき、宿題もきっちりやっていればある程度の基礎は出来るようになるはずですが、更に成績を上げるためには家庭学習が必須です。
家庭学習は基本的には毎日やらなければなりません。しかし宿題だけをやって終わり、では足りません。
小学生では「学年×10分+10分」の家庭学習時間が推奨されています。例えば、小学4年生であれば、4×10分+10分=50分が目安ということです。
中学生では、宿題をやる時間も含めて90分から120分が目安です。
ただし、上記の時間を机の前に座って過ごすだけでは意味がありません。短い時間で効果的に成績を上げる方法とはどのようなものが考えられるでしょうか。
まずは暗記科目から
現時点で成績が振るわず、直ぐにでも成績を上げたいという場合には、効果的なやるべきことがあります。
それは、教科を絞って集中的にやる、ということです。
ただし、直ぐに効果を求めるのであれば、どの教科でも良いというわけではありません。成績を上げやすい科目というものがあります。
英語、算数・数学は「積み上げ科目」と言われており、継続的にそれまでの学習が理解できていない状態では、すぐには成績を上げることが難しい科目です。
それに対し、理科、社会は比較的定期テスト等での成績は上げ易いでしょう。これらは「暗記科目」であり、単元毎に独立していることが多いため、短期間での成績アップが期待できます。
英単語や、漢字の学習も同様の傾向があります。
まずは「暗記科目」で成績を上げ、こどもに自信を持たせることが重要でしょう。
具体的には、まずは教科書を何度も「音読」させましょう。黙読ではなく、音読することにより、脳がより活性化するという研究結果もあります。是非大きな声で音読させるようにしましょう。
また、その回数は多ければ多いほど効果があります。
そして、問題集は手あたり次第にやるのではなくて、学校から推奨されているものがあるのであれば、それを少なくとも3回やるようにしましょう。
2回目までは出来ればすべての問題を解き、3回目は2回目までに間違えた問題を復習するようにしましょう。
これで暗記科目の成績は必ず上げることが出来ます。
ただし、これらは所詮小手先のテクニックでしかありません。こどもが将来より良く生きていくには、もう少し根本的な「生きていくための力」を身につける必要があります。「問題解決能力」、や「主体的な学び」を養うことが重要です。テクニックだけに偏らないようにご注意ください。
今回のまとめ
いかがでしょうか。学校の授業を受け、宿題をやる程度ではなかなか思うように成績は上がらないものです。成績を上げるには家庭学習が非常に重要です。どんなことにも言えますが、ただ闇雲に時間を浪費することなく、短期的に成績を上げるコツがあるにはあります。学力を上げる本質ではありませんが、一つのテクニックとして紹介させていただきました。要点を以下にまとめます。
- 小学生の約40パーセント、中学生の約55パーセントが「上手な勉強のやり方が分からない」とアンケートに回答している。
- 学校の授業と宿題をやるだけでは、成績を上げるには学習が足りない。
- 家庭学習を毎日必ず行う習慣をつけることが大事。
- 直ぐにでも成績を上げたい場合には、まずは理科、社会等の「暗記科目」から手を付ける。
- 英語や、算数・数学のような「積み上げ科目」はそれまでの学習内容が理解できていないと、急に成績を上げることは難しい。毎日コツコツと取り組む必要がある。
- 「暗記科目」については、とにかく教科書を繰り返し読むことが大事。
- 問題集は多くの種類に手を出さず、一つのものを繰り返しやると効果的。
ご参考になさってください。
参考文献
ベネッセホールディングス:https://berd.benesse.jp/up_images/research/Survey-on-learning_201411191.pdf
ベネッセ教育情報サイト:http://benesse.jp/kyouiku/201512/20151210-3.html
ベネッセ教育情報サイト:http://benesse.jp/kosodate/201511/20151130-1.html
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