こどもは本来、何に対しても興味をもち、学ぼうとするものです。実際、ほとんどの場合、小学校に入学したての頃は、勉強が好きなこどもの割合は高いのですが、学年が上がるにつれて勉強が好きなこどもの割合が減っていくという調査結果があります。
また、調査結果からは、学年が上がるにつれて勉強が「嫌い」と答えるこどもの数が増加することと、小学1年生から2年生、小学6年生から中学1年、中学1年から2年への変わり目に「好き」から「嫌い」に変化する割合が比較的高いことも分かります。
勉強が嫌いになる原因はなんでしょうか。
こどもが勉強嫌いにならないようにするのは、親はどのように関わっていけばよいのでしょうか。
今回はそのあたりに焦点をあてていきたいと思います。
目次
勉強嫌いのこどもの実態
「教育にはお金をかけて、習い事や塾にも通わせて、家庭の中でも勉強部屋、机などは整えているのに、成績があがらあない、こどもは勉強に興味を示さない、やりたがらない。」といったお悩みを抱えるご家庭は多いと思います。
はじめは勉強を含めていろいろなことに興味を示し、積極的に取り組んでいたにもかかわらずいつのまにか勉強が嫌いになってしまうのは何故なのでしょうか。
これには様々な要因があるといわれていますが、最も影響を与えているのはやはり親の関り方なのです。
勉強が嫌いなこどもにはある共通点があります。それは、「勉強に対して良いものであるという印象を持っていない」ということです。マイナスのものとしての印象を植え付けられているということです。
これは、意図せずに親がこのような印象を植え付けてしまっていることが原因です。
どのような親の言動、行動がこのような事態を引き起こすのでしょうか。大きく2つの原因があると考えています。
ひとつは、こどもが「自己肯定感」を持てなくなっている、ということにあります。どういうことかというと、「自分はなにをやってもうまくできない」といった思いをこどもがもってしまっているということです。
なぜこのような考え方をするようになるのでしょうか。
こどもが小さな頃は、どんなたわいないことであっても、何かひとつのことが出来るようになるだけで、親は褒めてあげていたと思います。こどもは褒められることで、繰り返しそれを行ったり、更に色々な事に挑戦しようとします。
しかし、こどもが小学校に入り、学年が上がるにつれて、出来ることを褒められるより、出来ないことを叱られる事の割合が増えていきます。
親は、こどもが「出来て当たり前」と思っていることには関心が低くなり、「出来ないこと」について他のこどもや自分の子供時代と比較してあれこれ口を出してしまうようになります。
これがこどもが「自分はうまくできない」と思うようになり、「自己肯定感」を持てなくなる大きな原因になっています。
2つめは、こどもは親の言動だけでなく、その態度・行動に大いに影響を受けているという点です。
「勉強しなければよい人生を送れない」、「宿題をやらないと成績があがらない」、「勉強して良い学校へ行かなければ良い仕事につけない」といったことを、こどもに勉強に取り組ませたいがために良く言われることと思います。これが効果がある場合もありますが、それは親の「言行一致」(*)がなされている場合のみです。
*口で言うことと行動とに矛盾がないこと。 主張しているとおりに行動すること。
こどもは親の行動を良く見ています。それに倣って育つものです。親の勉強に対する態度や考え方は、こどもに大きな影響を与えています。
口だけであれをやれ、これをやれ、というだけではだめなのです。
勉強嫌いを克服させるには
では、親はどのように関わっていく必要があるのでしょうか。
こどもに「自己肯定感」を持たせるためには、こどもが理解できていない、という事実を責めないことです。それを受け入れ、こどもと一緒にどのようにすれば解決できるのかを考え、こどもが自ら解決できるように手助けをし、導いてあげることが重要です。
また、「できて当然」と思っていたとしても、積極的に褒めてあげましょう。その際は「次は○○もできるようになると良いね」という内容も付け加えましょう。
そうすることで自己肯定感を養い、新たなことへ取り組む動機付けができます。
次に、親の側の「言行一致」に心がけましょう。
親が日々努力する姿をこどもは良く見ています。努力が必要であるということを伝えたければそれを体現しましょう。
本を読んで仕事のための知識を吸収する、自己啓発を行う、などやることはたくさんあるはずです。
こどもへの説教より、よほど効果があるでしょう。
今回のまとめ
いかがでしょうか。今回は、勉強が嫌いなこどもに対し、親の側にどのような考え方、対応が必要かということについて書きました。要点を以下にまとめます。
- こどもの「勉強嫌い」は学年が上がるにつれて増えていく傾向にある。
- 学年があがるにつれて、親の側がこどもに対する期待が大きくなり、出来て当たり前のことはあまり関心が無くなり、できない事についてつい小言を言ってしまう、ということが一因である。
- こどもの自己肯定感を育むためには、できなかった事を責めるのではなく、それを受け入れて一緒に解決するという心構えが必要。
- こどもに勉強をさせようとする場合、言葉のみで説教するのではなく、親の側も言行一致を心がけるようにすることが必要。
ご参考になさってください。
参考文献
東洋経済ONLINE:http://toyokeizai.net/articles/-/117426
子どもが聴いてくれる話し方と子どもが話してくれる聴き方 大全:https://www.amazon.co.jp/
AllAbout:https://allabout.co.jp/gm/gc/470720/
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