以前は学校での出来事などをよく話してくれていたのに、最近はあまり話してくれなくなった。お子さんのこういった変化にお悩みのご家庭は多いと思います。
こどもの年齢が上がるにつれてこういった傾向がみられるようになりますが、これはこどもの成長に伴いある程度仕方のないことなのでしょうか。
ご家庭内で何らかの取り組みを行うことでこどもが話すようになるのでしょうか。
今回はそのあたりに焦点をあてていきたいと思います。
目次
親は聞き役に徹する
こどもが話をしなくなってしまう原因は様々なものが考えられます。ただ、多くの場合は、親がこどもの言動をコントロールしようとしてしまい、こどもが話す機会を無くしている、ということがあります。
こどもが話そうとするときに、親がその内容を否定してしまったり、命令するような対応をとってしまったり、怒ったりするようなことがあると、こどもはだんだんと話すのが嫌になっていきます。
ほかに、こどもが話している最中に親が遮るようなかたちで「そうじゃない」と話の腰を折ってしまうのもよくありません。
親はこどもを正してあげるつもりでついつい、こどもが話す内容に対して「〇〇しなければいけない」や、「〇〇してはいけない」、「〇〇はしたの?」ということを言ってしまいがちですが、これはいけません。
このように自分の話したことを否定されることが多いこどもは、自己肯定感が育まれず、学習だけでなく様々なことに対する意欲を失いがちになっていきます。気をつけねばなりません。
こどもとよく会話するということにはどのような効果があるのでしょうか。
- 学校での様子がわかるようになる
- こどもが好きなこと、嫌いなことがわかるようになる
- こどもがどのような考えを持って行動するのかわかるようになる
といった親の理解が深まることと、こどもの側にも良い影響があります。
- いつも話を聞いてもらえる
- 不安な気持ちが和らぐ
などです。
親は聞き役になってあげることで、こどもは話しやすくなります。
こどもの「自己肯定感」を育む
では、どのようにすれば、こどもとの会話がスムーズにすすむでしょうか。
まず第一に重要なことは、先程の繰り返しとなりますが、こどもの話す内容を決して否定しないことです。
否定してしまうと、こどもは自分の気持ちを受け入れてもらえないと感じ、あまり話さなくなってしまいます。
次に大事なことは、こどもが話を聞いて欲しい、また話そう、と感じられるように接することです。
具体的には、こどもが学校での出来事などを話した場合には、感謝の意を示してあげるとよいでしょう。そうするとこどもは、自分に興味を持ってくれていると感じ、話そうという気持ちになりやすいからです。
また、自ら話そうとしないこどもに対しては、親がまず自分のことについて話してあげてみてください。自分のこどものころの話などを語ってあげることでこどもも親近感が湧き、自ら話そうとするきっかけとなるかもしれません。
親が話をしても最初は聞いてくれないこどもいることでしょう。しかし根気よく続けることで、だんだんとこどものほうからまた話をするようになります。
また、こどもと会話する際のポイントは他にもあります。以下の点に注意するようにしましょう。
- こどもが話し始めたら例え忙しくてもその時に話を聴いてあげる
- こどもの目線に合わせて話す
- こどもが言ったことをの言葉をオウム返しする
- こどもの話を遮らない
- こどもが話す内容について、深く追求しない
- こどもの話を否定したり、命令となるようなことは言わない
- 聞いているということを伝える為、適度にあいづちをしながら聞く
こどもとの会話が多くなると、こどもの側のコミュニケーション能力も自然とついてくるでしょう。
こどもをありのままで受けてあげる努力が親には必要です。こどもは、自分はありのままで愛されている、と感じることができれば、自信を持って自分の考えを伝えることができるようになります。
こどもを育てる際の親の一番の役割は、こどもの「自己肯定感」を育むことです。
自己肯定感とは、「自分は大切な存在だ」と感じる心の感覚です。自己肯定感が高いということは、「自分は大切な存在、価値ある存在だ」と感じている、ということです。
こういった心の状態にあると、何かに挑戦して学ぼうとする意欲が湧いたり、壁にぶちあったってもをれを乗り越えられたり、相手の立場を思いやることができるようになります。
会話を通じて、是非こどもの自己肯定感を高めてあげてください。
今回のまとめ
いかがでしょうか。最近こどもとの会話が減った、こどもが学校でどんな活動をしているのかよく分からない、こどもが何を考えているのか分からなくなった、といったお悩みを抱えた親御さんは多くいらっしゃると思います。ちょっとの工夫と努力によってこどもとの会話を増やすことができ、またこどもの「自己肯定感」を養うことが出来る、ということを今回は書きました。要点を以下にまとめます。
- こどもの言動を親がコントロールしようとしてはいけない。
- こどもが話す内容を否定したり、命令するようなことをしてはいけない。
- 話す内容を否定されるこどもは、「自己肯定感」が育まれない。
- こどもが自分から話している際は、親は聞き役に徹するのが好ましい。
- 自ら話そうとしないこどもに対しては、親が自分のこどもの頃の話などをしてみることでこどもは親近感が生まれ、自分から話そうとする。
- 重要なのは、こどもの「自己肯定感」を育むこと。
- 会話を通してこどもの「自己肯定感」を高めることが大切。
ご参考になさってください。
参考文献
ベネッセ教育情報サイト:https://bit.ly/3b1jhwU
PRESIDENT Online:https://bit.ly/3sy5yTX
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